5月の三浦海岸はマダイが熱い!
5月の三浦海岸はマダイが熱い!5月の三浦海岸はマダイが熱い!
シーズンも本格化!今月は三浦半島の金田湾に面する三浦海岸のマダイ釣りに焦点を当てました。
水もぬるんで、あちこちでよい釣果が聞こえるようになって来た今日この頃ですが、特にこの季節、やっぱり海釣りの主役はノッコミのマダイではないでしょうか。
マダイのノッコミとは
マダイは基本的に1年中釣れる魚で、普段は水深30mから150mぐらいの水深に生息しています。遊漁船に乗って釣る魚としては最も人気の高い魚で、深場のポイントを狙うことも多い魚です。しかし、1年でもこの季節だけ、ノッコミと言ってマダイは産卵期に入って深場から浅瀬へと移動してくるのです。まさにボート釣りやシーカヤック釣りなどで手軽に大物マダイを狙うのに一番期待できるシーズンの到来です!
マダイの産卵場所
金田湾の三浦海岸の浅瀬にはマダイの産卵場となる発達したアマモの群落があります。このアマモ場は海のゆりかごと言われており、潮の流れをやわらげ、外敵からの隠れ場ともなるため、魚介類のよい産卵場となります。
マダイの卵は分離浮性卵といわれるタイプで、産まれた卵はばらばらになって水面近くを漂う卵です。アマモのような障害物がないと、卵はすぐに潮に流されて外敵に食べられてしまいます。ここで孵化した魚の稚魚はある程度大きくなるまでここで過ごし、外洋へ出て行きます。
最近では日本の沿岸地域のアマモ場も減少する傾向にありますが、三浦海岸付近にはまだ残っているので、東京湾口付近に生息するマダイたちが、産卵期に集まってくるのでしょう。
魚の回遊ルート
一般的に青物などの回遊性の魚やタイやイサキなどのいわゆる浮き魚が、エサを探すため、また、産卵のために浅場に来る時にたどるルートがあります。そのルートの一つに海底谷(かいていこく)と言って、海の中が谷のようになっている場所があります。
海底谷を通れば徐々に浅くなるため、水圧もゆっくり変化しますし、やはり浅場に出る時は危険が伴いますから、住み慣れた深い場所から慎重に移動するには適したルートです。また、海底谷の底の部分は栄養分が沈殿しやすいので、プランクトンも多く発生し、魚のエサも豊富にあると考えられています。
特に定置網漁で有名な富山県氷見市沖では、この海底谷の付近に定置網を仕掛ける場合が多いです。
三浦海岸沖のマダイポイント
三浦海岸のマダイはこの季節どこでも釣れるって訳ではありません。もちろん釣れるポイントがあります。その筆頭はやはり海岸から約3kmほど離れた沖にあるホーロク根でしょう。このポイントは今の季節、タイ釣りの遊漁船も多く押しかけます。この根は、砂地の中にある幅が200mぐらいの岩盤の上に岩礁(根)がボコボコッと2つ並んだ形で突き出しています。水深は25~30mほどです。
三浦海岸沖の海底地形
海底地形図を見てみると、ホーロク根はちょうど沖から三浦海岸に向かって伸びている海底谷の中腹部分に位置しており、この谷に沿って深場から産卵場であるアマモ場へ向かう途中にあります。
拡大すると
深場から出てくるマダイにとってはこのホーロク根はちょうど峠の茶屋みたいな場所なのでしょう。根の潮下では潮流もゆるくなっていますから、休むにはもってこいです。また、岩礁地帯にはタイのエサとなるエビやカニなどの甲殻類も付いていますから、小腹を空かせたマダイには良いエサ場となります。
マダイは夜中に卵を産むそうなので、昼間のうちはエサを摂りながら夜になるまでこの場所で産卵のための準備を整えているのでしょう。
もちろんこの場所はマダイだけでなく、初夏の季節には青物の良い釣り場となり、イナダやワラサ、イサキなどが良く釣れます。
ちなみにこのような場所はホーロク根に限らず日本各地にあります。海底地形図とにらめっこしながら、自分のマイポイントを発見してみてはいかがでしょうか。
海の上のポイントを見つけるには
このように、マダイが釣れる環境が整っている三浦海岸沖のホーロク根ですが、一つ問題があります。それは初めての人にとって、この場所はなかなか見つけにくいことにあります。
遊漁船がこのポイントに出ていればすぐにわかるのですが、出ていない時は他にこれといった目標物がないので、見つけきれずにあきらめてしまう貸しボートのお客さんも多いそうです。
海の上には何もないので、このポイントに限らず沖合いにあるどこのポイントも見つけるのは簡単ではありません。むかしは山立てをしていましたが、そんなことができるのは漁師さんぐらいです。今はGPS魚探やハンディGPSといった便利な機器がありますが、これらも最近安くなってきたとはいえ、小遣い程度で買えるものではありません。
それでも沖合いのポイントへ釣りに行きたいという方には、当サイトで運営する釣りナビくんの有料オプションという手があります。是非使ってみてはいかがでしょう。
仕掛け、その他の釣りもの
三浦海岸沖のマダイの釣り方としては、最近ではタイカブラ、タイラバ、一つテンヤで実績があります。マダイを専門に狙わなくても、五目釣りでマダイが混じることも良くあります。
また、この付近の海域はマダイに限らず、釣りものの種類が豊富なことで有名です。沖合いでなくても海岸近くの砂地ではキスやマゴチ、カレイ、ヒラメ、ホウボウなどが釣れます。海岸からそれほど離れていない場所にも岩礁地帯があり、カサゴ、カワハギ、メバル、アオリイカなどが釣れます。エサとなる餌料生物が多いのか、特にここのカワハギは肝パンで有名です。
三浦海岸の貸しボート店
三浦海岸には「ヒット三浦海岸」さんをはじめ、貸しボート店が何軒かあり、手漕ぎボートから、免許のいらない2馬力の船外機船や、免許の要る大きい船外機船を取り揃えています。
さすがにホーロク根は手漕ぎボートでいける距離ではありませんので、船外機つきのボートを借りる必要があります。これからの季節は2馬力の船外機船は人気も高いので、休みの日の釣行なら予約は早めにしたほうがよさそうです。
三浦海岸は都心からも近く、車の便もいいところにあります。また、京浜急行線が海岸近くを走っており、「三浦海岸駅」や「津久井浜駅」から海はすぐそこです。
1年で一回訪れるこの季節、ボート釣りでノッコミのマダイを狙ってみてはいかがでしょう。
「ヒット三浦海岸」さんまでは三浦海岸駅から徒歩で12分ほどです。
詳しくはヒット三浦海岸さんのHPまで。