釣りの素人が行く、初めてのキス釣り
初めてのキス釣り 実食編釣りの素人が行く、初めてのキス釣り
皆さんこんにちは。マリーンネットワークスのO(オー)ことオダイラです。
今回は前回の「釣り初心者が行くキスのボート釣り 釣行編」に引き続き、「釣り初心者が食べるキスの実食編」をお送りいたします。
私が海釣りに挑戦しようと思った理由の一つが、自分で釣ってきた魚を自分自身で食べてみたいことと、家族に美味しく食べてもらって、ちょっとは一家の主としていいところを見せてやりたいとのささやかな下心からです。
生まれも育ちも海なし県だったせいか、新鮮な魚を食べると言うのはとっても贅沢という意識が頭にあって、特にお寿司やお刺身なんて子供のころからのご馳走でした。
今のご時世、どんな内陸部の町にも普通に回転寿司店を見かけますが、さすがにその日に獲れた魚は回ってないですし、ほとんどが冷凍物だと思います。
かと言って活魚を出すような、回っていないお寿司屋さんなんて私の懐事情が許すはずもなく、もう何年も行っておりません。
しかしどんなお店で食べても、鮮度の面からすればやっぱり自分で釣ってきた魚にかなうものはないでしょう。
何よりも、楽しく釣って美味しく食べる、一粒で二度美味しいのが釣りのよいところじゃないでしょうか。
そしてとうとうその日がやってきたわけです。自分で釣った海の魚を初めて食べる日が!
まあ、あまり大きい魚は釣れませんでしたが、いちおう天ぷらネタとしては高級の部類に入るシロギスです。
釣りから帰る道中、キスの天ぷらで一杯やることで私の頭の中はいっぱいです。
天ぷら好きの私としては、いつかキスの天ぷらを好きなだけ食べたいと思っていたのですが、その時がもうじきやって来るのです。
高速を飛ばし、レンタカーを返却してうちに着いたのが、午後6時前でした。
朝が早かったのもありますし、船酔いもしたせいか、もうさすがにへとへとです。
そしてさっそく、うちの家族に本日の獲物のお披露目です。
子供たちは、といってもまだ幼児ですが、初めて見るたくさんの魚に興味津々の様子。
そんな姿を見て「子供たちよ。もう少し大きくなれば父の偉大さがわかるだろう。その時まではもっとでかい魚を釣る立派な釣り師になっているからな」と、新たなる決意を胸に秘めたのでした。
嫁さんはと言うと、初めてのボート釣りでそう簡単に魚なんて釣れないだろうと高をくくっていましたが、ちょっと予想外の展開に「へー」っと、面食らった様子です。
これで少しは旦那を見直しただろうと、思惑通りの展開に私のドヤ顔もドヤドヤ顔に。
キス釣り特集はこちら。
キスのてんぷら作りに初挑戦!
それではさっそくキスの天ぷら作りに取り掛かりましょうってことで、「じゃ、あとはよろしくー」と、嫁さんにお願いしたところ、「は?」な反応。
「いやだから、この魚を天ぷらにして頂戴」ってお願いしたところ、「このまま天ぷらにできるわけないでしょ」とのお答え。
「いやだから、ささっと下ごしらえしてから天ぷらにして」と頼むと、「簡単に捌けるわけないじゃない」とのつれないお返事。
そうです。釣ってきた魚は捌かないと食べることができないのです。
スーパーの鮮魚売り場のお魚はすでに捌いてあるか、頼めば捌いてくれるのですが、自分で釣ってきた魚はやはり自分で捌かないと誰もやってくれないようです。
釣りに行く前は釣ることばかり考えていたのですが、釣ってきた後のことはあまり考えていませんでした。というか、考えないようにしていたと言うのが本当のところでしょうか。
まあ、嫁さんがなんとかしてくれると淡い期待を持っていましたが、やっぱり自分でやらなければならないことになってしまいました。
しかしながら、釣りをこれまでしたことがなかったのと同じで、魚を捌いた経験なんて私にはありません。
しかしこうなったからにはやらねばなりません。
でないと今回の計画が完結しないのです。
やはり釣り師なるもの、釣った魚は自分で捌けるようにならなくてはなりません。
釣った魚を持って帰ってさくっと捌いて食卓に出せるようでないと、子供たちからの尊敬も勝ち取ることはできません。
ならば、いっちょうやってみますか。
とりあえずは、ネットでキスの捌き方を検索です。
結構ありますね。動画もあります。なるほどなるほど。見た感じではそれほど難しくなさそうです。
天ぷらネタにするには背開きか腹開きにするそうですが、それはなんか難しそうなので、大きいキスは三枚におろすことにします。
この三枚におろすと言うのは基本どの魚でもやらなくてはいけないことで、魚の背骨を取り除く作業です。
キスを三枚におろす
そう、この三枚下ろしを制覇してこそ一人前の立派な釣り師となるのです。
そんなわけでマナ板と包丁を用意。
よしっと気合を入れて、とりあえずは三枚おろし経験者である嫁さんにやってもらいます。
ほうほう、うまいうまい、へーじょーずー、パチパチ。なかなかやるじゃないですか。その調子でもう一匹お願い。
なに、今度は自分でやれって?
おだて作戦も1匹まででした・・・。
しからば本当にやってみますか。
まずは鱗取り、包丁の背でバリバリやれば結構すぐ取れます。
それから頭落として、内臓抜いて、おなかを洗ってと、ここまでは簡単です。
次にいよいよ包丁を入れます。
背骨に沿って頭側から真っすぐ尾っぽまで、スーッといこうと思いましたが、なんか引っかかります。
どうも腹骨ってやつみたいです。三枚に下ろすにはここの骨を刃で断ち切らなければいけないのですね。
やはり般的な家庭用の包丁よりももっと強そうな出刃包丁を使った方がよさそうです。
次回は出刃包丁を買っておくことにします。
とりあえず力を入れてなんとか腹骨を断ち切って片身を切り終わり、反対側も同じように切ってようやく三枚になりました。
うーん、なんか身が薄い。けっこう大きいと思っていたキスもなんだかちっこくなってしまいました。
それもそのはず、中落ちと言うのでしょうか、背骨に残った身がなんと肉厚なこと。
まあ、初めてだからしょうがない。中落ちの部分は空揚げにして食べてみましょう。
ようやく天ぷらサイズのキス3匹分を三枚におろしました。
ピンギスは開きに
次にピンギスです。
こう小さいと三枚に下ろすのは無理です。
とりあえず、鱗と頭と内臓だけ取りました。
あとはそのままフライにでもしようかと思いましたが、それも芸がないので、腹開きにしてみます。と言っても骨は残したままです。
骨の位置は無視して真ん中あたりに包丁を入れて背中の皮を残して開いてみます。
ちゃんと切れなかったので、後は手で無理やり開きました。
骨は小さいので、特に取り除かなくてもこのまま食べられるのではないかという勝手な思い込みで、とりあえず全部のピンギスをそんな感じに捌きました。
キスの天ぷら盛り合わせの完成!!
次はいよいよ最後の天ぷら粉に付けて揚げる工程です。
嫁さん曰くカラッと揚げるには氷で天ぷら粉を冷やすといいのだそうで、もうその辺のことは嫁さんに全面的に委託です。
そしてひたすら揚げ続け、ようやくキス天盛りあわせの完成です。
いやー、ここまで長かった。今日は短いようで長い一日だった。天ぷらが出来上がったころには、もう子供たちは寝てしまいました。
まあ明日にでも食べてもらいましょう。
そしてさっそく実食です。天つゆに大根おろしを入れて、まずは大きめのキスを三枚に下ろした方からがぶっといきました。
いやいやこれは、想像していた以上の美味しさです。
衣はサクッと中はふっくら。釣ってきたキスの身は全くくせがなく、このままいくらでも食べられそうです。
それからビールをキューっと一杯。この瞬間がたまりません。太陽にあぶられて火照った体にガツンと来ます。
いや、まったく苦労して魚を釣ってきたかいがあると言うものです。
ピンギスは骨ごと
次に骨を残したまま開きにしたピンギスの天ぷらです。丸ごと食べます。お、これは思った通り、骨を全然気にすることなく食べることができます。
また、ピンギスの天ぷらは小ぶりなせいか、大ギスの三枚おろしに比べて食感がパリッとしているので、これはこれで結構いいかも。
三枚に下ろす手間を考えると、捌くのはピンギスの方が楽でしたしね。
そう考えると、キス釣りも食べる側から見れば大物を釣るのに固執せずに、ピンギスだけでもそこそこ釣れれば十分簡単に美味しく食べられることがわかりました。
この日は調子に乗って胸やけがするほど食べてしまいましたが、疲労感と充実感、そして美酒のお陰でこの日は気持ちよく酔っ払うことができました。
新鮮なキスのてんぷらは嫁さんにも好評でしたし、子供たちも次の日にパクパク食べてくれました。
ベラの骨は固い
ちなみにベラですけど、これは骨が固いです。丸のまま素揚げにして食べてみたら骨が舌に刺さりました。また、身も柔らかいので、大きくても三枚に下ろすのがけっこう手間です。そこで次の日に塩焼きにしてみたのですが、味も食感もかなり淡泊でした。やはりベラの食べ方は南蛮漬けが一番じゃないでしょうか。
三枚に下ろさず調理するには骨の硬さがネックになるで、圧力鍋で煮つけにしてもいいかもしれません。
今回の挑戦を振り返って
今回は、なんとか無事当初の目的を達成することができたわけですが、これならば、また行ってもよさそうですね。きっと次回も嫁さんの許可が下りるでしょう。本当のことを言いますと、ボート釣りなんてどんな無理ゲー!?って思っていましたが、やってみると意外と簡単なことがわかりました。それとやっぱり、ボート釣りは本当に釣れるもんなんだということも実感できました。
船頭さんが魚のいる場所まで連れて行ってくれる船釣りなら誰でも確実に魚を釣ることができるのでしょうけれども、素人が一人で行くにはさすがにハードルが高すぎます。
ボート釣りなら、お一人様でもあまり抵抗なく行けるので、どちらかと言うと一人で行動することが多い私にはぴったりです。
ボートを借りるのも、釣りで借りるのとデートで公園にあるのを借りるのでも大した違いはありませんでした。
今回借りたボート自体、公園のボートとその姿かたちはまったく同じでしたしね。
違うのは借りてる時間と借りる場所が海だってことぐらいですか。
それからやはり大事なのは、ポイントですね。
ボート釣りと言っても、どこでも釣れるわけじゃなくて、釣れるポイントにたどり着かないと、釣れるものも釣れません。
これ、鉄則です。
と言ったわけで、初めてのキスのボート釣りは完結です。
今回は手漕ぎでしたけど、次回は免許なしで乗れる2馬力の船外機船に挑戦したいです。
また、キスもいいけど、初心者にも釣りやすいとされるアジにもトライしてみたいです。
では、またいつの日か釣りナビくん特集でお会いしましょう。